在宅介護しながらウィーンへ行く(行った)ブログ 猫とビターチョコレート

40代独身、介護離職してお金はないけど、車椅子の母を連れてウィーンへ行きました。
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私のせいだった

私は主介護者だけど、日常のさまざな事柄に関しては
 「できるだけ母自身で決めてほしい」
と思う。
妄想にふりまわされていた去年までとは違う。
母はもう、だいぶ回復しているのだから。
考える力は戻っているはずだから。
自分で考え、決めることができるはずだ。

たとえば、今日一日どうやって過ごすか。
たとえば、お昼ごはんに何を食べるか。
たとえば、次はどこに遊びに行くか。

私が提案するのではなく。
「こうしたほうが良いよ」ってすすめるのではなく。
いくつかの選択肢の中から、自分で選べるようになってほしい。
私の言うままにならないでほしい。
自分の意思で生きてほしい。
母は母でいてほしい。

そう思って。
朝食のあと
 「今日はどうやって過ごす?」
と尋ねてみた。
可能な選択肢は5つ。

・オーケストラの練習をみにいく
・親戚に手紙を書く
・録画したドラマを見る
・本を読む
・買い物にいく
・昼寝する

当初の予定は
 「オーケストラの練習をみにいく」
だった。
それは母の仕事だから。
バイオリンは弾けなくなっちゃったけど、生徒たちを監督する義務があるから。

だけど母が選んだものは
 「昼寝をする」
だった。
私はびっくりした。
活動的で、常にどこかへ出かけたがっている母が、どうして昼寝なんか選ぶんだろう。
具合でも悪いの?
疲れてるの?
 「そういうわけじゃないんだけど」
母は困ったように言う。
 「でも今は寝たいの」
今日は練習を見にいかないの?
みんな待ってるよ?
 「今日はいかない」

母が自分で決めたことだから仕方がない。
お昼寝は長引き、そのまま午後まで続いた。
何度か質問をし、他の選択肢を投げかけてみたけど、そのたびに
 「寝てる」
という選択肢を選ぶ。

・・・おかしいな。
やっぱり具合が悪いのかな。

2時になってもまだ横になっているから、「このままだと褥瘡になるよ」と、無理やり起こした。
お昼ごはんを食べさせた。
そして手紙を書いたり、スーパーへ買い物に連れだしたりした。

やっと晴れたのに
(今日はせっかく晴れたのに)

夕方になって、どうして今日は練習を見にいかなかったのか尋ねたら
 「わかんないの」
母はすごく悲しそうに答えた。
 「どうしたらいいのか、わかんないの。
 やっぱり行けば良かったなあって、今、すごーく後悔してる」

衝撃を受けた。
母は、わからなかったんだ。
私が期待したほど母の脳みそは回復していなかった。
判断力が回復していなかった。

「行く」か、「行かない」か。
母は2択ならできる。
だけどそれ以上はまだ難しいのだ。
選択肢を示されても、どれを選べばいいか分からなかったから、「寝てる」を選んだだけだった。
まるで小さな子供みたいに。
本当は練習に行きたかったのに。
選ぶことができなかった。
意思を伝えられなかった。

母が練習に行けなかったのは、私のせいだ。
私が間違えた。
ごめんね、お母さん。
もっとゆっくり、やっていこう。

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2 Comments

秘密の訪問者さん says...""
あなたのせいじゃない。

いつも思っています。

あなたが少し悲しい事を書いたのを
読んだ時。

あなたのせいじゃありませんよ。

2015.07.13 17:05 | URL | #- [edit]
だだ says...""
ありがとうございます。
とってもとっても、救われます。
本当にありがとう。
頑張ります!
2015.07.13 20:56 | URL | #- [edit]

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