在宅介護しながらウィーンへ行く(行った)ブログ 猫とビターチョコレート

40代独身、介護離職してお金はないけど、車椅子の母を連れてウィーンへ行きました。
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生きていくための約束

「ウィーンに行きたい」
と母は言った。
去年、病院のベッドの上で。
自分の体が動かないことに気づいて
 「私はもう二度とバイオリンが弾けないのかもしれない」
と泣いたその日のことだった。
 「ウィーンに行こう」
と私は約束した。

退院後。
母は観光ガイドを買ってきて枕元に置いた。
 「ウィーンに行けるように頑張らなくっちゃね!」
それから始まったのだ。
怒涛の日々が。
前進する日々が!

「ウィーンへは長時間フライトだから、長いあいだ座れるようにならなくちゃ」
「石畳の街だから、ガタガタ道にも慣れておかなくちゃ」
「観光客が多いから、人ごみも平気にならなくちゃ」
ウィーンのために。
ウィーンに行くために。
そう考えたらなんでも頑張ることができる。
一日たりともリハビリを欠かさないのも全部『ウィーンのため』。
母がどれだけ向上心をもち、どれだけよくなったかは、このブログを読んで頂ければお分かり頂けると思う。
今はドイツ語の練習をはじめて
 「アインス、ツヴァイ、ドライ・・・」
で10まで数えられるようになったところ。

それを。
 「老後はお金かかるよ。
  あんたたちウィーンなんかにお金つかってる場合じゃないんじゃないの?」
って言われた。

善意なんだと思う。
彼女は親切で愛にあふれた人だから。
我が家の経済状況を心配して言ってくれたんだと思う。ありがとうございます。

善意。
でもそれは、
私たちの夢を踏みつけにする言葉だった。

たしかに現実は厳しい。
私の仕事探しもうまくいってない。
お金が足りないことは教えられなくても知っている。

けれど人は、夢がないと生きていけないから。
前をむかないと進むことができないから。
この夢まで失くしたら、私はもう、本当にどう生きていけばいいのか分からない。
実現するか否かより、夢をみつづけることのほうが今は大事なんだと思う。

私は昨夜、傷ついた夢をどうしたらいいのかわからなくて
自分の感情をどうしたらいのかわからなくて
しょうがないから筋トレで気を紛らわしてた。
腹筋して腕立てしてスクワットして、
それでも涙が止まらないから、泣きながらLINEした。
話をきいてくれる人がいなかったら壊れてしまっていたかもしれない。
・・・聴いてくれて恩に着る。

ウィーン旅行は
バイオリンを失った母の夢であり
旅を失った私の夢でもある。
そしてまた、
不器用に私たちを愛してくれているオヤジの夢でもあると思う。

その夢を私たちがどんなに大事にしているか、
その夢がどんなに脆いものか、
不幸なことに、彼女はただ知らなかっただけ。

さらに不幸なことに、その言葉は母の耳に入ってしまった。
 「ウィーンに行くお金ないの?」
ひどく動揺する母に、私はもう一度、約束した。
絶対、連れて行くからと。

本当はこんなこと、ここに書くべきではなかったかもしれない。
でも私はやっぱり書かなくては自分を保てない。
今夜は宣言するために書いた。

私たちは、必ずウィーンへ行きます。


それにしても私って本当に弱いな。
あれくらいのことで凹むなんて、まだまだ修行が足りない証拠。
さあ、今夜も筋トレするぞ!
腹筋・背筋・腕立て・スクワット!
ウィーンに行くために体力つける!

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