在宅介護しながらウィーンへ行く(行った)ブログ 猫とビターチョコレート

40代独身、介護離職してお金はないけど、車椅子の母を連れてウィーンへ行きました。
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母の靴コレクション

靴を捨てた。
母の靴を捨てた。
車椅子生活をおくる母にはもう、ヒールなんていらないから。
ごっつい装具をはずせなくなった足ではもう、ふつうの靴なんて履けないから。

・・・なーんて。
そんな感傷的な話ではない。

母はなにしろ「捨てられない人」。
紙袋やビニール袋、紙のうちわやビニールバッグ、ティッシュケースや保冷バッグなど、どうでもいいものを大量に保管して家の中を占拠している。
ゴミ屋敷となるのを防ぐべく、いま少しずつ片づけている最中なのだ。
 「集めてるわけじゃないんだけど」
といいつつ、母の靴コレクションは玄関のシューズボックスからはみだして物置や階段の下にまで積み上げられている。
いったい何十足あるんだろう!
調べてみると悪くなった靴や古くて履けない靴がほとんどだ。
 「捨てるよ」
 「これも捨てるよ」
どんどんゴミ袋にほうりこんでいく。
母は観念した様子で
 「うん、捨てていいよ。
  私もうヒール履けないもんね」
寂しそうにつぶやいている。
が、
 「それは捨てたらダメ!」
大きな声をあげた。
銀色のパンプス。
キラキラのついたやつ。
 「それは必要なの!
 演奏会で履くんだから!」
母の脳みそは今ややこしいことになっていて、自分の状態を認識することができない。
自分が車椅子に乗っていることはわかっても歩けないことは理解できない。
左の小指一本動かせないのに次のコンサートでは立ってバイオリンを弾くつもりでいる。
弾けないんだよって指摘すると混乱してパニックを起こすから私たちはあえて否定しない。
 「じゃあ、この靴は置いておくね」
っていう。
まあいいや、一足くらい。
大事なものなら残しておこう。
銀色のパンプス。
キラキラのついたやつ。
 「それとね、金色のと白いのと黒のエナメルのも!」
って、何足あるねん!
多いねん!
そんなんいうてるから溜まっていくねん!!!!

・・・でも結局、私はキラキラした靴たちを、一足も捨てることができませんでした。

装具の上から履けるキラキラな靴ってないかなー。

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