在宅介護しながらウィーンへ行く(行った)ブログ 猫とビターチョコレート

40代独身、介護離職してお金はないけど、車椅子の母を連れてウィーンへ行きました。
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魔法使いになりたい

『文字を覚え、ことばを覚え、
 読み書きできるようになるのは
 人生でたった一度だけの経験。』
そんな「くもん」のCMを見て思い出したことがある。
私のたった一度だけの経験。

4才で、うまれて初めて文章を書いたとき。
書くことがでいると知ったとき。
大発見だと思ったのだ。
文字って魔法だと思った。
山、川、風、水、太陽、リンゴ、犬、猫、人。
大きなものも小さなものも
目に見えるものも見えないものも
あらゆるものを表し、とどめておくことができるから。
この世のすべてを紙に書くことができるから。
紙のなかの言葉の世界では、私は神様のように何でもできる。
お金持ちになることも
おいしいものを食べることも
オバケや宇宙人をよびだして友達になることだってできる。
文章は魔法で、
物語を書くことは魔法使いになることだと思った。
私は魔法使いになりたいと願った。

だが、子供のころの魔法はだんだん効かなくなるものだ。
成長するにつれて、形容しがたいものが世の中にはたくさんあるのだと知った。
ガンジス川の色あいや
ウユニ塩湖の朝焼けや
会話がとぎれたときのまなざしや
さよならを言うときの笑顔は
今の私にはあらわせないものだった。
「空気を読む」だけでも難しいのに「空気を描く」のはさらに難しい。
何を書いたらいいのかそれすらわからないことのほうが多くなってきた。
もっと魔法を。
もっと魔力を。
もっと努力を。
たとえ死ぬまでかかっても。
私は今でも、魔法使いになりたい。

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