在宅介護しながらウィーンへ行く(行った)ブログ 猫とビターチョコレート

40代独身、介護離職してお金はないけど、車椅子の母を連れてウィーンへ行きました。
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猫のサンタクロース

姪っ子たちのために、絵本つくった。
アジャリとサンジの物語。
身内むけの猫絵本だけど。
こちらにも載せておきます。
くだらないよ~。


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「猫のサンタクロース」


十二月のある日のこと。
小さな猫のサンジがいいました。
「ねえ、アジャリ。サンタクロースってなあに?」
大きくて何でも知っているアジャリは、えらそうに答えました。
「サンタクロースっていうのは、人間のおじいさんのことだよ。
クリスマスイブにやってきて、子供にプレゼントをくれるんだ」
するとサンジは目をかがやかせました。
「ほんとう?サンタクロース、ぼくにもプレゼントくれるかな?」
「いい子だったらね」
「じゃあ、ぼく、いい子にしてるよ!」




こまったことになりました。
やんちゃのサンジがクリスマスまでずっといい子でいたのです。
そして毎日こういいました。
「今日ぼくいい子だったよね?サンタさん、きてくれるかな?」
「ああ、きてくれるとも」
とはいうものの、猫にサンタクロースがくるなんてきいたことがありません。
なのにサンジはすっかりその気になって、クリスマスを楽しみにしているのです。
「サンタさん、きてくれるよね!」
 そういわれると、アジャリは
「猫にサンタさんはこないよ」
とは、いえなくなってしまうのでした。


クリスマスが近づきました。
サンジはますます
「サンタさんきてくれるよね」
ばかりいっています。
アジャリはかくごをきめました。
「よし、ぼくがへんそうをして、猫のサンタクロースになってやろう」
アジャリはおじいさんの猫です。
ふとっていて、白いおひげもはえています。
赤い服をきたらサンタクロースに見えるかもしれません。


夜。
アジャリは、赤い布のポットカバーを頭からかぶりました。
サンタの服のかわりです。
「ホッホッホー。サンタさんだよ!サンジくんはいい子にしていたかな?」



ところがサンジは
「うーん、おかしいな?」
とつぶやきました。
「サンタさんは、白い大きなふくろをもっているんだよ」


アジャリはすこしがっかりしました。
ポットカバーは真っ赤でお花のもようまでついて、とてもすてきなのに・・・。
でも、アジャリはへこたれませんでした。
「白いふくろをもっていけばいいんだな」
次の日、アジャリはまた赤いポットカバーをかぶりました。
それからコンビニのビニールぶくろをひきずって、サンジの前にあらわれました。

「ホッホッホー、サンタさんだよ。いい子にしていたかな?」
けれどもサンジはまた
「おかしいな?」
といいました。
「サンタさんはね、ソリにのってくるんだよ」




「『ソリ』ってなんだろう?」
アジャリは考えました。
見たことがないので、そうぞうするほかありません。
「きっと、のりものなんだろう。大きな車がついてるんだろうな」
せなかをぺろりとなめると、いい考えがうかびました。
「ソリって、もしかして、車イスににているかもしれないぞ!」

次の日。
アジャリはまた、赤いポットカバーをかぶって、白いビニールふくろをかついで、それから、ゆうこさん(※うちの妹)の赤い車イスにのって、サンジの前にあらわれました。
「ホッホッホー、サンタさんだよ。いい子にしていたかな?」



やっぱりサンジはちょっとのあいだ、だまっていました。
そして
「おかしいな?」
といいました。
「サンタさんのソリは、トナカイがひいているんだよ」


「トナカイ!」
アジャリはうなってしまいました。
日本にトナカイはいないのです。
それでもせなかをぺろぺろなめると、またいいアイデアがうかびました。
「ジャイアンにてつだってもらおう」
ジャイアンはおとなりにすむ茶色の犬です。
大きい犬ですから、車イスをひっぱることもできるでしょう。
ジャイアンにたのむと
「よしきた! わんわん!」
とひきうけてくれました。




次の日。
それはクリスマスイブでした。
アジャリは赤いポットカバーをかぶり、白いビニール袋をかつぎ、ジャイアンのひく車イスにのって、サンジのまえにあらわれました。
「ホッホッホー、サンタさんだよ。いい子にしていたかな?」
「わあい、サンタさんだ、サンタさんだ!ほんもののサンタさんだ!」
サンジはかんせいをあげました。

しっぽをピンとたてて、にゃーにゃーと、サンジはたずねました。
「サンタさん、サンタさん、プレゼントはなあに?」
「・・・あ!わすれてた!」
アジャリはサンタクロースのへんそうにいっしょうけんめいになりすぎて、プレゼントのことをすっかりわすれていたのです。
白いビニールぶくろはからっぽでした。
そこでアジャリはいいました。
「きょうは、サンジくんがいい子かどうか、みにきただけだよ。
プレゼントは夜にくばりにくるからね。
ちゃんとねているんだよ」
サンジはおおよろこびで
「いい子でねてる」
とやくそくしました。

サンジがねむってしまうと
「プレゼント、なにがいいかなあ」
アジャリはなやみはました。
にわで見つけたお花がいいかな?
こっそりかくしておいたヤモリはよろこぶかな?
白いビニールぶくろにプレゼントをたくさんつめてあげよう!
いろいろ考えているうちに、アジャリはうつらうつらしはじめました。
まどの外は雪がふっています。
クリスマスイヴの夜がふけていきます。
遠い空からすずの音がきこえてきたように思いましたが、アジャリはそのままぐっすりねむってしまいました。


次の朝。
「アジャリ、おきておきて! クリスマスの朝だよ!」
サンジの声にアジャリはとびおきました。
「しまった!ねむっちゃった!
まだプレゼントの用意ができてないのに」
「なにいってるの」
サンジはにこにこしていいました。
「プレゼントは、ほら、あそこ!」
クリスマスツリーの下には、小さなプレゼントがふたつ、おいてありました。
「サンタさんがくれたんだよ、やったあ!」
サンジがさっそくはしっていって『サンジくんへ』とかかれたつつみをあけますと、中から新しいネズミのおもちゃがでてきました。
サンジはおおよろこびでネズミを追いかけはじめました。
「ほんもののサンタクロースがきてくれたんだ・・・」
そのうえおどろいたことに、もうひとつのプレゼントには、なんと
『アジャリくんへ』
とかいてあるではありませんか。
「これ、ぼくのだ!」
つつみをひらくと、アジャリの大好きな、大好きな大好きなかつおぶしがでてきました。
「わあい!」
アジャリはうれしくてヨダレをたらしてしまいました。


そこへサンジがネズミのおもちゃをくわえてもどってきました。
「よかったね、うれしいね、クリスマス」
サンジはクリスマスツリーを見上げながらいいました。
そのときアジャリは、自分がまだ赤いポットカバーをかぶっていることに気がつきました。
アジャリはてれくさくて、大急ぎでせなかをぺろぺろなめました。
「ありがとう、サンタさん。
 ありがとう、アジャリ」
サンジはにっこりわらいました。
「メリー・クリスマス!」



おわり

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