母のハロウィン
「ハッピー・ハロウィン!」
あちこちで派手に仮装イベントとかやってるけど、ハロウィンなんていつからこんなに広まったんだろう。
おばちゃんはついていけません。
…などと考えてしまう私をよそに、
「はっぴい・はろうぃぃぃぃん!!!」
母が思い切り盛り上がってしまった。
仮装してデイに行きたいというのはなんとか諦めてもらったが、
「ゾンビになりたい」
という熱い想いに押し切られ。
やってあげました。
ゾンビメイク。
といっても、私に特殊メイクの技なんてない。
アイシャドウで真っ黒なクマをつくり、頬に大きな縫い目と赤い傷口を描き、唇からしたたる血を口紅で描いたくらい。
子供のお絵かきレベルだ。
それでも母は喜んで。
おもしろがって。
キャッキャ言いながら
「ねえ写真、撮って、孫たちを驚かそうよ! 泣いちゃうかもしれないよ」
はしゃぐはしゃぐ。
それで写真を送ったけれど。
相手が悪かった。
オーストラリアではハロウィンをやらない。
妹一家の住むブリスベンでは小さな子供のお祭りくらいに思われている。
仮装をする若者もいるにはいるが
「アメリカかぶれの痛い人たち」
と見られるのだとか。
そういうわけで残念ながら、おばあちゃんのゾンビメイクは、オージーの子ども達の目には奇妙にうつったようで…。
「おかあさん、メイクなんかしなくても、すでにゾンビじゃないの」
妹が私と同じことを言ってきた。
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好奇心をもちつづける。
これこそが、ゾンビで魔女たる母の、驚異的な回復の秘訣だと思う。
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