在宅介護しながらウィーンへ行く(行った)ブログ 猫とビターチョコレート

40代独身、介護離職してお金はないけど、車椅子の母を連れてウィーンへ行きました。
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いっぱい失っていっぱい手に入れた一年

テレビのアナウンサーがにこにこ微笑みながら言った。
  「2013年は皆さんにとってどんな一年でしたか?」
・・・どんなって。

楽しい旅の初日から
オカンが倒れて死にかけて
慌てふためいて帰国したら
目が覚めるまでにひと月かかって
妹をみてくれる施設と母の転院先をさがしまわって
自立支援法や介護保険法と格闘して
仕事やめて
家をリフォームして
オヤジと喧嘩して
オカンの退院によりめでたく介護生活がはじまって
更には妹を入所させることになって

・・・っていう一年でしたな。

あー、忙しかった。

この一年でいろんなことが変わってしまった。
状況も変わったし
生活も変わったし
私も変わった。

変わることは
時には辛いことだけど
生きているかぎり
そのままずっと同じものなんてないから
変わることは
生きている証であり、代償なんだと思う。

いろんなものを失ったけど
いろんなことを知ることができた。
いっぱい悲しかったし
いっぱい怒ったけど
いっぱいいっぱい嬉しいこともあった。

母が意識回復後はじめて指を動かしたときの喜び。
思いがけないほど多くの方々が支えてくださったこと。
変化がおとずれることがなければ、これほど多くの人との絆や、見守ってくださる方々の想いや、友達のありがたさを、これほど深く感じることはなかった。
不幸の数を数えることなど無意味だ。
私はこんなにも幸福だから。
・・・2013年。
いろいろあったけど。
それでも私は、前へ進んでいく。


今年も一年ありがとうございました!
たくさんの愚痴や苛立ちをぶつけてすみませんでした。
私はこんなにもダメダメなのに、読んでくださって本当にありがとうございました。
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皆様、よいお年を!


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おもちつき

母は、今日が何日かということがわからない。
覚えられないしカレンダーも読めない。
なんとなくの季節感で判断しているのだろう。
どういうわけか、毎日がお祭りだ。
12月に入った頃から
 「明日クリスマスだよね?」
 「今夜サンタさん来るんだよね?」
って毎日楽しみにしてた。
クリスマスが終わると毎日が大晦日になった。
 「たいへん!まだお節つくってないよ!」
 「今夜、紅白みるんだよね?」
これまた毎日楽しみにしてる。
なかなかシアワセそう。

年末イベントのなかでも母が一番こだわっているのが餅つきだ。
 「お餅つきしなくっちゃ!」
 「昨夜、もち米を漬けておいたから、蒸さなくっちゃね」
毎朝毎朝、訴えてくる。
・・・そんなに餅がつきたいのか。
根負けして、今日とうとう、餅つき機を出してきた。
押入れの奥の奥の奥から。
でてきた。
昭和の餅つき機。
といっても、杵と臼じゃないぞ!



昭和が香る餅つき機。
私が物心ついた頃から家にあった。
子供の頃は使ってた気がする。
お餅が熱くて手がやけどしそうだったのを覚えてる。
でも中学に入るともうやらなくなった。
 「『手伝って』っていっても、あんた達ぜんぜん手伝ってくれへんねん」
母が恨めしそうに話した。

あれからいったい何年間、押入れで眠っていたのだろう?
20年じゃきかないだろう。
放ったらかしにしてたのに、ちゃんと動いたからびっくりした。
(『パン』という機能があることにまたびっくりした。)

搗いたお餅をみんなで丸めた。
子供たちは熱い熱いと大騒ぎしてた。
きなことあんこと砂糖醤油とで食べた。



 「こういうイベントってね、ほんとは子供より親のほうが嬉しくて、やりたいものなんだよね。
 いい思い出になるから」
と、自身も母親になった妹が呟いた。
母は餅を丸める孫たちを眩しそう眺めていた。


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玉子どろぼう!

母は外食が大好きだ。
今日もみんなでランチに行くことになった。
でも焼肉屋やファミレスなど、家族で入りやすい店は、ソファが作り付けだったりテーブルの足が大きかったりして車椅子に不便なところがけっこう多い。
回転寿司もそうだった。
せっかく家族で行ったのに、子供たちはテーブル席、母と私はカウンター。
べつべつの席に分かれなくちゃいけなくてちょっと残念だった。
これが妹を連れて『車椅子2台』になると、そうそう外食なんかには行けないのが現状だ。
でも行くけど。

さて回転寿司のカウンターで私が玉子を食べていたら、
母がものほしそうな顔でこっちを見ている。
欲しいの?
半分あげようか?
 「うん!」
一貫だけ母の皿に移動させたとき、携帯が鳴った。
ちょっとゴメン、と立ち上がり、電話にでるため店をでた。
通話はものの1分。
すぐに席へ帰ってくると。
・・・ない!
私の玉子が、ない!
どこいった!
見れば母の皿に玉子が二貫。
なんで二貫ともそっちにあるの!?
勝手にとらないでよ!
 「だって一貫くれるっていうたやん」
だからあげたやん!
なんでもう一つまで盗るのよ、玉子どろぼう!
 「だって、だってね・・・!」
私も母も大笑いした。

母は、半側空間無視だ。
左側が見えない。
目の前の皿は見えているが、皿の中身は右半分しか見えない。
左側に置いた玉子は分からなかったんだろう。
こういうことはよくあって。
家でごはんを食べるときも、しょっちゅう隣の皿にお箸をつっこんで食べてしまう。
下の妹はうまく口がきけないから、勝手にぱくぱく食べてる母を見て、グフフとひそかに笑っている。
 「また盗んだな~」
それを見つけて私が笑い、母も笑う。
近頃の母はなんだかお茶目で、可愛いから。

でもお店のカウンターで食べるときは気を付けないといけない。
もし母の右側に知らない人が座ったら、その人のお皿のものを盗んじゃうかもしれない。
玉子が私ので本当によかった・・・。


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