在宅介護しながらウィーンへ行く(行った)ブログ 猫とビターチョコレート

40代独身、介護離職してお金はないけど、車椅子の母を連れてウィーンへ行きました。
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ボケの天才

母の頭はこんがらがっている。
日にちや時間や人間関係、いろんなものがごちゃごちゃだ。
今は何月? ってきいたら
 「8月」
と答えるときもある。
私をおばさんだと思い込み、私自身の噂話に花を咲かせることもある。
妹が2人の亭主と重婚している設定になってたこともあった。
高次脳だか血管性認知だかしらないが、関西人的には天才的ボケ職人というところ。
大抵は笑っとく。

母は、ときには死者まで甦らせる。
 「おじいちゃんとおばあちゃんも、インフルエンザの予防注射、うっとかないとねえ」
なんて言い出すのだ。
・・・そうだねえ。
てきとうに相づちをうちつつ
・・・おじいちゃんのお葬式で私が弔辞を読んだの覚えてる?
と訊いてみる。
 「覚えてるよ!
  いいお葬式でしたねって今でも友達に言われるもん」
葬式したんなら、もう死んでるはずだよねえ。
 「そうなんだけどねえ。
 死んだなんて言ったら悪いわよ。
 そのへんにいてはるのに
そのへんってどこですか。
 「隣の部屋に、おばあちゃんといてはるでしょ」
怖い!
それ怖いよ!
母がいうとなんとなく真実味あるんだよ!

ちなみに今日は
 「椿と梅ちゃんと一緒にバスに乗ったの♪」
と、嬉しそうにデイから帰ってきました。
会いたい気持ちが募って妄想が見えたのかもしれません。
孫の椿と梅ちゃんは、来週、オーストラリアから帰国の予定です。
私が弔辞を読んだ祖父母も、天国から(か、隣の部屋から)楽しく見ていてくれるでしょう。
あの子たちが帰国するまえに
 「おばあちゃんは冗談がうまくなった」
と、ちゃんと報せておこうと思います。


なんか最近、私の文章ってボケもツッコミもオチもない!
関西人ならちゃんとオチつけなアカンやん!
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一寸先はマンホール

人生、いろんなことがある。
いろんなことが。
一寸先は闇という。
明日はどうなるかなんて全然わからないよ。
私なんて、
マンホールにはまったからね
何が起こるかわからないよホント。

昨夜のことだ。
雨戸が閉めにくかったので調べようと思った。
庭にまわって窓に手をかけた、そのとき。
右足が地面に吸い込まれた。
つま先からズブリと地中に沈んでいく。
あわてて膝をついて転倒はまぬがれたが、ふくらはぎまで地面に入っちゃってる。
 「なんやこれ!」
それは小さなマンホールだった。
手の平サイズで、正式にはマンホールとは呼ばないかもしれないくらい小さな縦穴。
何かのはずみで蓋がはずれていた。
えらい小さな穴にハマったもんやなー。
半笑いで足を引っ張りあげようとして凍りついた。
・・・抜けない。
穴が小さすぎて足首から先がどうしても抜けない!
足首を動かせないから靴も脱げない。
にっちもさっちもいかなくなった。
 「どうした」
窓をガラリと開けてオヤジが登場。
マンホールにハマって足が抜けへんねん。
 「おし、引っ張ったろか」
いや、痛いから!
 「引っ張らなしゃあないやろこんなもん!」
折る気か!
 「じゃあライターで」
燃やす気か!
叫ぶ私。
 「待っててね、今お母さんも行くから!」
うわああ!!
お母さんひとりでベッドから降りたらダメえええ!!
もう大騒ぎ。
そうこうするうちに寒くてたまらんようになってきた。
このままでは一家凍死である。
もうちょっと頑張ってダメだったらレスキュー隊呼ぶかなんて思ってたら、
・・・すぽん!
大きなカブの勢いで足が抜けた。
めっちゃ痛かったけど助かった。

家の庭でマンホールにはまって抜けなくなるなんて、想像もしていなかった。
まったく、いろんなことがあるもんだ。


穴にハマっても頑張れ!と思っていただいたかたも
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妹の施設入所について

私の末の妹は、重いハンディキャップをかかえて生まれてきた。
立てないし座れないし話せないし字も読めない。
自分ひとりでは水も飲めない。
車椅子にのって紙オムツつけてる。

でも、普通に暮らしてる。

平日は作業所で働き、土日はヘルパーさんと遊びにいく。
家のお風呂は使えないけど温泉でまったりすることはできる。
カラオケも歌える。
映画も楽しめる。
立てなくても歩けなくても、車椅子に乗ってどこへでも旅行に行ける。
びっくりするほど大勢の友達がいる。

障害があっても
人生を楽しむことはできる。
動けなくても
幸せになることはできる。
心はおなじだから。

だけど、今の暮らしをつづけることは、もうできなくなった。
身体障害者施設に入居することになったから。
12月下旬に引っ越して家と施設を行ったり来たりしながら年末年始をすごし、だんだん慣れてもらう予定。

正直、すごく悔しい。
すごくすごく申し訳ない。
すごくすごくすごく。
私がもっとしっかりしていたら。
私がもっと、良いお姉ちゃんだったら。
すごくすごくすごく。

実は、母が倒れてから今までにも「入所させよう」という意見はあった。
父とか親戚とか。
でも私が拒否していた。
やれるところまで頑張りたかった。
最終的に決めたのは母だった。
ある晩、途方にくれている私を見て、ベッドの中から言ったのだ。
 「もう、ね、施設入れよう。入ってもらおう、そうしよう、ね」
って。
母はそう言うことで私を救おうとしてくれたのだ。
2人の姉を妹の犠牲にしてはいけない。
それが母の信念だから。

妹はほとんど喋れないから、どう感じているのか、はっきりとはわからない。
だけどみんなでいっぱい説明したから意味は分かっていると思う。
来月から入所だよっていうと
 「うん」
と真面目な顔で返事した。
イヤは言わなかった。
なぜ施設に入ることになったのか、妹なりに理解してくれたのだと感じている。

幸いなのは施設のことがよくわかっているということだ。
妹は昔からショートステイに利用してきた。
ショートと入所は別物だけど、無数の施設見学をしてきた母が
 「このあたりであそこ以上のものはない」
と言い切り
 「私に何かあったらゆうこをお願いします」
と以前から頼んでいたそうだ。

妹は来年からはもう、平日に働くことはない。
土日に遊びにでかけることもない。
普通の暮らしとはいえないだろう。

でも、母が選びぬいた施設だから。
きっと良い所なんだと思う。
きっと次の幸せが開けるのだと思う。
大人になって家を出るのはごく一般的なこと。
家を出て、妹は自立するのだ。
新しい人生を歩いていく。
思いがけない素晴らしい出会いがきっと待っているだろう。
私たち家族はそれに賭けることにした。


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