だれだれ、だらだら
今日は、わりあいのんきな一日だった。
ヘルパーさんが妹の世話をしにきてくれて
おばさんが母の病院へいってくれて
雨のおかげで猛暑もひとだんらくしてて
そりゃあ
片づけなくちゃいけない用事は山のようにあるのだけど
今日の私はなんだかもう、
・・・こんな感じになってた。
たまには、ごろごろ。
たまには、だらだら。
幸せってきっと、ドーナツ食べてマンガ読んでお昼寝をすること。
お昼寝をする余裕のあること。
そんなかんじ。
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今日は、わりあいのんきな一日だった。
ヘルパーさんが妹の世話をしにきてくれて
おばさんが母の病院へいってくれて
雨のおかげで猛暑もひとだんらくしてて
そりゃあ
片づけなくちゃいけない用事は山のようにあるのだけど
今日の私はなんだかもう、
・・・こんな感じになってた。
たまには、ごろごろ。
たまには、だらだら。
幸せってきっと、ドーナツ食べてマンガ読んでお昼寝をすること。
お昼寝をする余裕のあること。
そんなかんじ。
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「願いごと手帳」をはじめた。
ただのノートに願い事をただ「書くだけ」で叶うっていうやつだ。
言霊というのか。
おまじないというべきか。
プラス思考の言葉を使い、
すでに『願いが叶った』という完了形で書いていくものらしい。
「母の記憶力が戻った」
「妹の褥瘡がきれいに完治した」
「母の左手が動いた」
「妹の寝つきがすばらしくよくて、いつも一晩中すやすや眠っている」
「お父さんが夕飯をつくってくれるようになった」
「母が字を読めるようになった」
願いごとを書くのは楽しい。
七夕の短冊みたいだ。
たくさん書いていくうちに、だんだん、数うち当たるんじゃないかという気になってきた。
「家のリフォームがすんなりいって、しかも補助金が満額おりた」
「相性のいい施設とヘルパーさんが見つかった」
「妹の介助員として若い人が何人もきてくれた」
「私ひとりで母のトイレ介助ができた」
願いを、夢を、たくさんたくさん書いていく。
「母がひとりで立てるようになった」
自分自身の願いも、書いた。
「新しいパソコンを手に入れた」
「痩せて昔のジーンズをはけるようになった」
「おじいちゃんの隠し財産を発見した」
「また旅立てるようになった」
「新しい仕事がすぐに見つかって、しかもすごくハッピーな職場だ」
夢は叶う、という言葉は自己満足臭くて嫌いだ。
叶わないのは努力が足りないって叱られる恐れがあるから。
現実には
努力しても努力しても
どうにもならないことがいっぱいあって
神様にしか解決できなことがいっぱいあって
不可能なことを望むことは
現実逃避みたいに思えて
分不相応なことを望むことは
欲張りみたいに思えて
あんまり口に出さないようにしてきた。
それでもあきらめきれないたくさんのことを
手帳に書きつけていくうちに
望んでもいいんだよって
願ってもいいんだよって
神様に許してもらえたような
そんな気持ちになれたのだ。
たくさんたくさんの願い事。
数うち当たれ。
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昔から「タイムスリップもの」の物語が好きだ。
アトリーの『時の旅人』、
ピアスの『トムは真夜中の庭で』、
筒井康隆の『時をかける少女』、
宮部みゆきの『蒲生邸事件』。
だけどそれらはお話だ。
現実に時を旅することなどできない。
朝ドラだって言っているじゃないか。
「人生は逆回転できない」。
って。
人生は一度きり。
時計の針を戻すことはできないんだ。
・・・って、
戻っとる!!!!!
(短い映像ですが)
家の時計が逆回転してました。
完全に時をさかのぼっていました。
秒針も短針も長針も。
チクタク、チクタク。
時をさかのぼっていく。
私を過去へとつれていく。
SFの世界にまぎれこんだような錯覚におちいり、しばしフリーズしてました。
時計はもちろん壊れてただけ。
SFじゃない。
だけどちょっと思った。
時計はもしかしたら、家の空気を吸い込んで、ああなったのじゃないかって。
だって妹がときどき泣いてるから。
母が倒れて半年もたつというのに、重い障害をもつ妹はまだそれを受け入れられない。
生まれてからずっと世話してくれていた母は、妹の手であり足であり口になってくれる存在だった。
全世界の中心だった。
母が倒れたということは、太陽が倒れたみたいなものなのだ。
実際にはいろんな人が介護をしてくれて妹は支障なく暮らしているのだけど。
母は変わってしまった。
もう二度と、母が自分を世話してくれることはない。
もう二度と、母がバイオリンを弾くことはない。
もう二度と。
元には戻らない。
何もかも。
戻らない。
妹は不自由な口で「ママ」と呼びながらさめざめと泣いてた。
私はただ、「大丈夫、お姉ちゃんがいるよ」ってアホみたいな台詞をいうことしかできなかった。
逆回転する時計をみるとそんな妹のことを連想したのだ。
ついでに、無力すぎる自分のことも思い出して腹がたってきた。
ええい!
ジメジメすんな!!!!
私は時計をバシバシ叩いた。
時計は完全にストップした。
「壊れたんやったら捨てるぞ!」
脅してもきかない。
あたりまえか。
で、電池をいれかえてみた。
時計の針はアッサリと、未来へむかって時を刻みはじめた。
時をさかのぼる物語は好きだ。
だけど私たちは前へ進まなくちゃいけないから。
立ち止まってちゃいけないから。
私はなんとかして妹の針も進ませてやらなくちゃいけない。
来週はあの子も誕生日で、またひとつ年をとる。
絵本でも買ってやろうかなあ。
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