冬のオーストラリアから帰国したら、夏の日本はエライことになっていた。
何、この暑さ。
会社へむかう道で工事を見かけた。
路面を敷きなおしてた。
どろりと溶けたアスファルトの熱そうなこと!
おじさんたちが真っ赤な顔で働いて、
おじいさんと呼べそうな人が汗みずくで交通整理してた。
炎天下で働くことがどんなに辛いか。
私はよく覚えてる。
買い物とか庭の草むしりっていう『日常の暑さ』とは比べ物にならない。
シャレにならない。
ギラギラの太陽が鈍器のようにガンガンと頭を殴りつける。
熱波が襲いかかり、炎のように全身をつつむ。
命の危険を感じる暑さだ。
それが1日中ずっと続くのだからたまらない。
頭が痛くなって、眩暈がして、それから吐き気に襲われる。
毎日毎日、熱中症との戦いなのだ。
どうやれば体力を保てるのか、あの頃いろいろ研究してた。
アイスは危険な誘惑だった。
何より氷が毒だった。
氷は体の熱をとってくれるが、同時に体力も奪ってしまう。
朝から凍ったスポーツドリンクなんて飲んだら、アッという間にバテバテだ。
だから私は「冷たい飲み物は午後まで我慢」と決め、朝の間は生ぬるい麦茶を飲んでいたっけ。
インドではチャイ。
モロッコではミントティー。
「暑いときには熱いお茶を飲め」
って、ウチのおばあちゃんもよく言ってた。
郵便配達のおにいさん。
遊園地の係員。
露店販売の人。
大工さん。
植木屋さん。
それから、ゴルフ場の人。
外で働く人みんな。
お疲れ様。
お疲れ様。
ほんとにほんとに、お疲れ様!
頑張って、この酷い夏を、無事に乗り切って。
お願いだから倒れないで・・・。
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