在宅介護しながらウィーンへ行く(行った)ブログ 猫とビターチョコレート

40代独身、介護離職してお金はないけど、車椅子の母を連れてウィーンへ行きました。
0

2年前の反省

旅ブログに書きそびれていたことを一つ。

2年前の春。
私はシリアにいた。
日本人女性のAさんと共に、アレッポ近郊の遺跡ツアーに参加した。
あたたかな春の日で、花の群れ咲く遺跡はとても気持ちがよかった。
ピクニックしている家族がいた。
可愛い子供がいた。
私は遺跡見学もそこそこに、ピクニックに参加したり野の花を眺めたりして過ごした。

一方、Aさんは遺跡が大好きで、広い敷地を飽きもせず歩きまわり、眺めてまわり、わずかに残る石積みの一つひとつ観察していった。
そんな彼女をみてドライバーのおじさんが呟いた。
 「うれしいなあ」
と。
 「ぼくはこれまでたくさんの外国人を観光地に案内してきたよ。
 たくさんの日本人をね。
 でも、多くの日本人は遺跡なんかちょっとしか見ない。
 チラツとだけ見て、あとは地元の人と話したり違うものばかり見ている。
 だから、あの人のように、ぼくらの歴史遺産にきちんと興味をもってもらえると、すごく嬉しいんだ」
私は自分が恥ずかしくなった。

 『地元の人に馴染みたがるのは日本人観光客の特徴だ』
と言われたことがある。
 『日本人はふしぎなことに、地元民と間違われると嬉しそうな顔をする』
欧米人バックパッカーには理解できない感覚だそうだ。
欧米人はどこへ行っても必ず朝食にパンを食べるが、日本人は地元民と同じ屋台で朝粥をすすりたがるものだ。
国とは人である。
文化とは人である。
旅の醍醐味とは人との出会いである。
観光よりも人としゃべることを大事にする。
それも一つのスタイルだ。

だが地元の人はやっぱり観光もしてほしいのだと思った。
逆に言えば、海外からきた観光客に
 「京都でホームステイして新世界で串カツを食べたから関西満喫できた!」
って言われたら「なんか違う」と残念に感じる人もいるだろう。
せっかく京都に来たのならお寺ひとつくらい入ってほしいし、大阪城なり姫路城なりを見上げてほしい。
日本の歴史に触れてほしいと思う人もいるわけだ。
 「歴史なんか興味ないよ」
と言われたらそれまでだけど。
歴史の積み重ねこそが今日をつくっているのだから、日本の歴史を無視する人に今の日本を語ってほしくはない。
シリアのドライバーさんが言いたかったのはそういうことだと思う。
私はそれに気がついて、自分が恥ずかしくなった。
私はシリアの歴史をぜんぜん知らなかったから。
無知は仕方がないとしても、せっかく貴重な遺跡を訪れておきながら、その国の歴史や文化に対し、ちゃんと敬意を払っていなかった。
ごはんだけ食べて味わった気になっていた。
私は、間違ってた。


スポンサードリンク

スポンサーサイト



0

ちょっとした嘘

今朝、レゴ人形のキャプテンを新たに買いなおした写真を載せた
 「肩章がないですやん」
とつっこまれた。
ぜんぜん気がつかなかった。
相棒、失格やん、私。

近所のレゴショップに買いにいったら、店内は子供ばっかりだった。
子供とその親、祖父母ばっかり。
ファミリーばっかり。
寂しい独り者の私にはものすごくアウェーなショップである。
よほど挙動不審だったのだろう、店員さんが
 「何かお探しですか?」
と話しかけきた。
私は挙動不審の言い訳をしなければと思い、とっさに
 「子供のレゴのパーツを失くしてしまって探しにきたのですが」
と真っ赤なウソの言い訳をしていた。
子供って誰だよ。
どこの子だよ。
キャプテンはうちの子だよ。
私が失くしたんだよ悪いか!
・・・なんで堂々とそう言えなかったのだろう。

体裁がわるいと、咄嗟にウソをつくことがある。
ウソじゃなくてもぼかした言葉で誤魔化したりとか。
仕事の面接のときに
 「前の仕事を辞めてからどうしてたの?」
って聞かれて
 「海外におりました」
と答えたことがある。
『海外で働いてました』みたいに聞こえたらしいけど黙っておいた。
ぼやぼや観光旅行してたとか、いわゆるニートでしてとか、言いたくなかったから。
説明するの面倒だしね。

そういうわけで、幻の子供のためにレゴのパーツを捜していると答えると、店員さんは気さくに応じてくれ、おしゃべりにまで付き合ってくれた。
曰く、
 「最近のレゴは昔のとぜんぜん違うでしょう? こんなのレゴじゃないですよ!」
・・・レゴショップの店員にあるまじき発言を聞かされてしまったけれど、おかげでちゃんと肩章を買うことができた。



スポンサードリンク

0

旅の相棒・キャプテンの話

「キャプテン」がいなくなった。
行方不明になってしまった。

このブログを読んでくださる方はだいたいご存知だと思うけれども。
ミニフィグ(レゴブロックの人形)のキャプテン。
2年前からつい先月まで、私の旅はこの人形といつも一緒だった。
せいぜい小指くらいの人形だからいつもバッグパックの中に入れて歩いて、ここぞという観光地では必ず記念写真を撮ってきた。
私の代わりとしてブログに載せるために。


(キャプテン最初の1枚。南アフリカ喜望峰にて。)

ビクトリア瀑布でずぶぬれになり、ペトラ遺跡でお茶を飲み、マチュピチュで万歳を叫んだ。
ウユニ塩湖に沈んだこともあった。
インドの子供たちに取り上げられたこともあった。
だけどいつでもちゃんと無事に帰ってきた。

それがとうとう、行方不明。
本格的に行方不明。
フィンランドの雪の中が最後の撮影だった。


(耐寒訓練を行うキャプテン)

この1枚のあとすぐバックパックのポケットに入れた。
・・・はずなのに。
ヘルシンキで使おうと思ったら見つからない。
帰国後、すべての荷物をひっくり返して探したけれどやっぱり見つからなかった。
次の宮崎旅行には子分の雪次郎を連れていった。

あれから1ヶ月。
キャプテンは未だに出てこないままだ。
ポケットに入れたつもりで落としたのだろうか。
それとも魔窟と化した我が部屋のどこかでひっそりとホコリをかぶっているのだろうか。
ここ2年、ネット上のプロフィール写真にもキャプテンを使ってきたため、もはや相棒というより分身・・・とまではいかないか。
なんだか寂しいので、インターネットで「キャプテン2号」を買った。



・・・うん?

なんかカッコよくなってないか?



顔のパーツ間違って買っちゃったぞ、おい!

あわてて買いなおした。



そうそう、この顔この顔。


次の旅は2人を連れて・・・どこに行こう?


(地図だかコンパスだかを眺めている)


スポンサードリンク

≪進む 
該当の記事は見つかりませんでした。